【書評】嫌われる勇気

書評

少し前に大ヒットしたベストセラー『嫌われる勇気』を読みました。
(ちょっと今更感がありますね。238万部も売れているようです。)

スキージャンプの日本代表の高梨沙羅さんが愛読してた事でも話題になりましたが、内容を全く知りませんでした。

また、題名から内容が推測できてなかったので、完全に素の状態で読みました。
それなりに衝撃受けましたね。
こんな考え方があったのかと・・・。

青年と哲人の対話するストーリー

本書は、哲人と青年の対話によって話が進みます。

この青年は、ごくごくどこにでも一般人です。
それもかなりネガティブで、なんでも否定がちです。

現代人にいっぱいいるタイプですね。
僕自身も、この青年に近いものがある気がします。

この青年が、アドラーの心理学の哲人と対話する事で、意識が変わり、ポジティブな人間に変化していくストーリー仕立てになってます。

アドラーの心理学とは

そもそもアドラーってなんぞや?

くらいの知識から読み始めた僕ですが、フロイト、ユングと同クラスの心理学の巨匠らしいです。

アドラーとフロイトの考え方がいわば真逆で、

  • 原因論のフロイト
  • 目的論のアドラー

といった対比関係になります。

フロイトとアドラーでは物事に対する考え方が全く異なっていて、ある種、「ニワトリが先か卵が先か」みたいな話になります。

例えば、引きこもりの青年がいたとすると、

フロイトは、

「引きこもっているのは、過去に原因となるトラウマがあったからだ。」

となります。これは僕らの一般的な考え方と思います。

これがアドラーになると、

「引きこもる事で、他者からの注目を集めようとしている。」

となります。

つまり、引きこもりたいから引きこもっている、と。

これはある種、極端な例と言えますが、要するに「自分の事は、自分が決めている。」ということです。

川辺まで馬を連れてくる事はできても、馬が水を飲むかどうかは馬が決める事。

これがアドラーの心理学です。

アドラーの心理学で行動したくなる!?

これを読んだ時、「なるほどなぁ」と思いました。

多分、みんなアドラーの心理学のように行動したくなると思います。

確かにアドラーのいう事は、一理あります。

僕らは、他人を気にしすぎなんです。

親が何と言おうが、友人が何と言おうが、上司が何と言おうが、自分がこれをやりたいと思うのであればやれば良いのです。

20年早くこの本に出会っていれば、僕の行動も少し違っていたかも知れません。

ただ言うのは簡単で、これを実際に行動に移せる人は、なかなか居ないかも知れないですね。

高梨沙羅さん

僕が、この本に興味を持ったきっかけは、高梨沙羅さんだったりもします。

彼女は言わずと知れたスキージャンプ界のエースです。

2014年のソチオリンピックに出場した当時17歳の彼女は、残念ながら4位となり、メダルに届きませんでした。

それまでワールドカップで勝ちまくり、メダル確実と言われ、今思えば相当なプレッシャーがかかっていたと思います。

17歳ですからね。

彼女は、2018年の平昌オリンピック直前にスランプに陥った時、この「嫌われる勇気」を読んで、スランプから脱出し、見事にメダル獲得します。

恐らくですか、ソチでの彼女は、

「皆んなのために、メダルをとらなければいけない」

と思っていたのだと思います。

平昌のときは、

「自分のために、メダルをとる」

といったような意識に変わっていたと思います。

10歳のユーチューバー

今話題になってる10歳のユーチューバーゆたぼん君。

10歳で、学校に行くのをやめて、ユーチューバーになる。と言ってるわけですが、それを皆んながどやこや言ってるんですね。

学校は行った方が良い。

行かんでも良い。

色々意見はありますが、これも何となくアドラーVSフロイトに似ています。

学校で嫌な事を理由にして、学校に行きたくないだけ派 → フロイト的

ユーチューバーになるために行動するなら、学校に行かなくてもいい派 → アドラー的

少し強引かも知れませんが、こう言う事です。

まあ、僕の個人的な意見としては、

「とりあえず学校行っとけ。」

ですね。

行かなくても勉強はできるとか、友達も作れるとかあるけど、ある種の基準ってものは学校での生活にあるわけだから。

イジメられたので無いのであれば、もう少し学校の事を知ってからでも良いのかなと思いますね。

正直、どうでも良いです。

まとめ

この本がヒットした一つの要因として、日本人の大半が、この本に出てくる青年のように、どこかにモヤモヤを抱えていたからのように思います。

成長する過程で、どこかからの同調圧力により、自分を押し殺し、我慢することが美徳として教育をされてきている。

我慢して大人になって、好きなこと出来ると思いきや、そうでもない。

そして、あの時にあれをしておけば良かったと後悔している。

これは僕の話ですが、多くの人は同じなのではないでしょうか。

それをアドラーは、心理学でこの後悔する行動をとってしまったのは何故なのかを、教えてくれた。

これが皆んなが共感し、ヒットした理由なのかなぁと思います。

ただね、教えて欲しかったよ。

100年も前からあるなら、もっと早くこんな考え方もあるよって誰か教えて欲しかったよ。

完全に人のせいですね。サイテーですね笑

ただまだ40年くらいは生きるつもりだから、これからの40年は、「嫌われる勇気」をもって生きていきたいと思います。

大阪在住。

激しい息子と、超絶イラチの娘を持つ、二児の父。

1LDKに住む。
狭いので引越したいが・・・。

レザークラフトや普段色々と思っている事とか、綴ってます。

不動産投資やってみたいんですが、なかなか踏み出せず。

一束(ひとたば)をフォローする
書評
スポンサーリンク
一束(ひとたば)をフォローする
一束blog

コメント

タイトルとURLをコピーしました