ふと就職活動をしていた時の事を思い出した。
今から15年くらい前になる。
時が経つのは早い。
22歳の僕は、
『これがやりたい!』
と思うものがなく、何をしたいのかが分からずにいた。
でも就職はしなければいけない。
学校からのコネがあるところでも良かったが、地方の会社にずっと勤めないといけない事を考えると、それも無いなと思っていた(僕は地方の大学に通っていた)。
昔から何か作ることは好きだった。
だから、「モノづくりをしたい」と思っていて、メーカー系の企業を選んで就活を始めた。
大学と違って、企業は無限に近いほど存在する。
僕みたいに曖昧な選び方をしていると、余計に選択肢が増え、迷宮入する。
とりあえずは、大学で行われる会社説明会に参加して、そこで気になった企業を受けることにした。
・某水道系大手メーカー
・某精密機器大手メーカー
・大手SIer子会社プログラムソフト会社
その他3社くらい
最終的には、某水道系大手メーカーに就職した。
けど、ここで話をしたいのは、プログラムソフト会社での事。
僕は、元々プログラムはC言語ぐらいしかしてなかったけど、結構好きだった。
自分で作ったプログラムに何かを入れると、違う何かがアウトプットされる事が単純に面白かった。
大学生の時には、RPGツクールにハマり、ひたすらRPG作ってた。グラフィックから、キャラから、ストーリーから。イベントなどは、独自の項目を選んでプログラミングをする感じで、これも一つのプログラミングだった。
そんな事もあって、プログラムには興味があって、入社試験を受けた。
この会社は東京の方にあって、日本人なら大抵は聞いた事がある大手の子会社だった。確か500人くらいの会社だったと思う(連結だと数万人だと思う)。
就職試験は、SPIなんかの足切りがあって、その次は筆記試験(資質チェック)があった。人事の面接もあったかも知れない。
なんやかんやで、通過し、最終面接まで行った。
最終面接だから、当然、役員面接になる。
正直、何を話したかは覚えていない。
多分、ありきたりな志望動機を話し、これから自分がこうして行きたいと、ありきたりな事を話したと思う。
そんな僕が言われた役員からの一言が今でもずっと耳に残っている。
「なんだか君は、就職しないといけないから、会社に入ろうとしているように見える」
まさに図星だった。
上部だけの返答と、それっぽい志望動機を話していただけの僕を、完全に見透かされた気がした。
何も答えられなかった。
そこで面接は終わった。
結果は、不採用。
就職しないわけにはいかないから、水道系メーカーに就職をした。
今でもあの役員さんの言葉は、ずっと耳に残っている。
正直、今でも気持ちは大して変わらない。
就職(仕事)しないといけないから、会社に入っている。
生活のため。
子供のため。
生きていくため。
今思えば、あの一言は、ずるい言葉に思える。
多分、ほとんどの人は同じ思いだから。
働かなくても良いなら、働きたく無い。
好きな事だけをして生きていたい。
それならそう思っていると言っても良かったのかもしれない。
結局、僕は試されただけなのかも知れない。
ただ思うのは、仕事が生活の大半を占めている今となっては、もう少し就職というものに対して真剣に考えても良かったと思う。
生活の大半を占める仕事を、もう少し楽しめるものを選んだ方が良いと思うから。
あれから15年が経った。
僕は、これからどうなっていくのか分からないけれど、先を見据えて何を学べば良いのか、何を学ぶべきかをもう一度考えたいと思う。
まだ先は長いのだから。
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