6月30日(日)に、大阪で皮革講座が開催されたので行ってきました。
なかなか有意義な講習会でしたね。
革好きの人は、受講しておいて損はないと思います。
皮革講座受講まで
ある日、レザーソムリエ(@leathersommelir)のツイッターアカウントがたまたまタイムライン上がってきました。
令和元年・皮革講座(初級)の申し込みを開始しました。
2019年は博多、仙台を加え、全国5都市で無料講座を開催します!
・6月16日(日)東京
・6月30日(日)大阪
・7月17日(水)東京
・7月28日(日)名古屋
・8月25日(日)仙台
・9月1日(日)博多
・9月11日(水)大阪https://t.co/WdIB4wmaV7— レザーソムリエ (@leathersommelir) April 18, 2019
”レザーソムリエ”って何やねん、と思いながら見ていたら、皮革講座を無料で開催します、とあります。
「無料」の文字を見て受講を決断。
日時・場所
【日程】2019年6月30日 13:00〜15:50
【場所】大阪府大阪市北区曽根崎新地1-4-20 桜橋IMビル
大阪の北新地駅からすぐのビルでした。
https://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/cc-osaka-ekimae/access/
このビルの、一階でエレベーターに乗ろうと思ったら、なんだかボタンが変。
▲と▼がない。
階数が書いてあるだけ。
行きたい階を、外で押すとカゴがきます。(ちなみに11階を押しても上行きのエレベーターが来るだけで、中でもう一度11階を押す必要あり。)
しょうもないところで戸惑いました。
会場
入口で、出席名簿にチェックを入れて、自由にすわります。
会場は、それなりに広く全部で100人くらいは入れそうなところです。
今回も100人くらいは居たのではないかと思います。
講義 20分(皮革について)
ビデオ 20分(なめし工程について)
講義 10分(皮革について その2)
休憩 10分
実習 80分(20分×4)
講義 30分(革のケアについて)
座学は少なめです。
座学
座学は、それ程深い内容はありません。
時間も短めです。
皮革の歴史、なめし(皮→革)について、染色について、をサラッと説明。
途中、ビデオがあって、なめし工程を詳しく見れます。
ビデオがメインって感じですね。
ただひとつ、この座学の中で大事だなと思った事は、
『革は、食の副産物であること』
でした。
革のために、動物を殺めてはいけないって事。
だから、牛革が多いんだ、とすごく納得しました。
実習
今回のメイン企画ですね。
4箇所で専門家が革について、各専門分野を説明してくれます。
2.仕上げ(染色など)
3.小判もの(ヤギ、羊など)
4.エキゾチックレザー(ワニ、ヘビなど)
受講者側は4班に分かれて各所を回ります。
一箇所、20分。
牛革
馴染みの牛革です。
やはり半裁は大きいですね。写真に収まらないです。
こちらでは、クロム鞣とタンニン鞣の革の違いなどを教えてくれます。タンニン鞣は握るとギュギュっと音が出ます。
また牛は、成長度合いで呼び名が変わります。
若い順に、カーフ、キップ、ステア。
若い方が、きめ細やかで柔らかいが、流通量が少なく高価になります。
革のために殺される事はありませんので。
仕上げ(染色など)
クロムなめしとタンニンなめしの違い、型押しや染色についての説明があります。
染色については、少し面白かったですね。
机の上にある革は、2種類ありますが、左は顔料、右は染料です。
下地が茶色の革に染料を入れると、色が濃くなってしまって水色では無くなってしまってます。
つまり染料は、下地の色に影響されるので、染め直しとなると濃くするしかない。
一方で顔料は、下地の色の影響がないので淡い色でも染色できます。
あとヌバックとベロアとスエードの違いを教えてくれました。
・ヌバックは、銀面をバフィングさて起毛させたもの。
・ベロアとスエードは、床面(肉面)を起毛させたもの。
・起毛の毛足が長いものがベロア。
・起毛の毛足が短いものがスエード。
今まで違いをよく分かってなかったので、勉強になりました。
ちなみにバックスキンは、“雄鹿革“の事だけなのでヌバックとは異なります。
ヌバックは、ニューバックスキンが訛って、ヌバックと言うらしいです。
小判もの
ここでは、ヤギや羊といった小さめの動物の皮についてです。小さいと皮も柔らかくなります。
ここでもスエードについての説明がありました。
小判ものは、全てスエードになります。
牛革などは、ベロア。
牛床革なんかは、ベロアにしてリーズナブルなブーツにするとの事。
なるほど。
エキゾチックレザー
これが一番面白かったですね。
普段、見れない触れないものが一度に沢山見ることが出来ます。
ワニ、ヘビ、オーストリッチ、馬など。
ワニやヘビなどのエキゾチックレザーは、ワシントン条約で制限されてるので、希少価値があって高価との事。
最近のヘルシーブームで、脂肪の少ないオーストリッチ肉やワニ肉などが食されるようになって、流通しているワニ革のほとんどは養殖らしいです。
養殖されるワニには、タグがつけられ管理されます。これはその管理タグ。
しっぽの部分に取り付けられています。
これは馬革。
この写真の中央部がコードバンの取れる臀部。
コードバンは馬革から削り出してみないと、どのくらいコードバンとして使用できるか分からないらしく、その辺りも高価な理由らしい。場合によっては全く取れない事もあるとの事。
講義 革のケアについて
最後に革のケアについて教えてくれます。
「革は水に弱い」
と言うけれど、これは違っている。
というのは、そもそも革には水分が含まれているから。
では何に弱いのかというと、
『革は乾燥に弱い』
水分がないと乾燥して、ひび割れたりする。
なのでクリーム等で保湿をしたりする。
と、このあたりの事を教えてくれます。
所管
正直、無料講座ってロクなものでないケースがほとんどと思いますが、この講座は”アタリ”ですね。何かの勧誘的な要素もありません。
しいて言えば、レザーソムリエBasicの試験を受けてくださいね、くらいの可愛いものです。
大概、「無料講座」的なものは、お金を巻き上げようとする匂いがするものですが、これは全くそんな感じはありません。むしろ受講者側の方が、ギラギラしています。
僕と同じ班で回った、兄ちゃんは人が居ようが御構い無しに前に出て行き、最前列をキープするし、横にいた姉ちゃんはマニアックな質問をぶつけたりする。メチャメチャ真剣に聞き入るオバさまもいたりして、若干カオスな雰囲気が漂っていました。
受講者も老若男女いて、どういう人たちが受講していたのか気になります。
幅広すぎて、想像つきません。
何となく、ファッションに携わろうとする人(携わっている人)がメインのように思われました。
(ただの私の勘だけです。)
何はともあれ、無料なので革好きさんは是非受講してみたら良いかと思います。
蛇足
レザーソムリエのテキストを買いました。思っていたよりも内容が薄いです。
自分が受験してる資格試験のテキストがボリューム多すぎなだけのようにも思いますが…。
正直、テキストを買わなくても、この皮革講座を受ければ、合格する気がします。
テキストは「あった方が良いかな〜」といったレベルに感じます。
今回レザーソムリエを受験しようとも思いましたが、ほかの資格試験があるのでレザーソムリエBasic試験はスルーします。
ちなみに合格者を募って、栃木レザーさんの工場見学に行くツアーがあるみたいです。
昨日6/21にレザーソムリエ合格者イベントとして栃木レザー㈱さまご協力のもと工場見学会(有償)を開催しました!
私レザーソムリエ事務局のいわゆる“中の人”なのですが、残念ながら不参加でしたがすでに参加者から勉強になった!という声が届いています。ありがとうございます!※写真は一昨年のもの pic.twitter.com/rwexq81tIl
— レザーソムリエ (@leathersommelir) June 22, 2019
別に資格はいらないので、工場見学だけ行きたいですね。
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