髪の毛が伸びてきて、前髪を掻き分けると、そこに白髪が見えた。
前髪の一部がグレイヘアなのだ。
一部だけ。
関口宏のように、ほんの一部だけが白髪なのだ。
別に白髪を気にするタイプではないと自分では思っていたけど、こんな風に一部だけだと気になってしまう。
別に関口宏ファンでもなく、たまにサンデーモーニング見て、おじさんたちの会話を楽しんでいる程度の人間が、関口宏を模写ってると思われてそうで嫌なのだ。
案の定、散髪屋のにーちゃんにも、
「関口宏みたいっすね」
と言われる始末。
それが嫌なのだ。
とりあえず前髪の白髪は、散髪する事で目立たなくなる。
前髪が短くなり、上の毛が覆い被さることで、白髪を隠してくれるのだ。
でも伸びてくると、目立ち始める。
めんどくさい。
どうせなら全部白髪で良い。
吉川晃司になりたいのだ。
関口宏ではない。
そんな事を思いながら、鼻毛を切っていたら、そこにも白髪はいた。
こんなところにも…関口が…
いや吉川晃司だ。
そう自分に言い聞かせる事にした。
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