30歳を過ぎたころから、将来の事を色々と考える日々が増えたように思う。
20代は、社会に出たばかりで、社会人に慣れること、結婚生活に慣れることに精一杯だった気がする。
30代になって、子供も生まれ将来の事を考え始める。
けど、なんやかんやで忙しい日々に言い訳をして、ダラダラと過ぎていく毎日に不安を感じながら生活を続けていた。
32歳の時に、転職をして今の会社に入った。
単身赴任になって、仕事の内容・やり方が大幅に変わり、やりやすくなった部分とやりにくい部分とがあったけれど、この数年間で自分自身のマインドが大きく変わっていった。
個人的に一番影響を受けたのは、下請けの社長さんだった。
この人は、まぁそれなりには実力はあるのだけれど、”超絶いい加減なオヤジ”だった。
以前書いた、サブコンの所長を激怒させたのも、ある意味ではこのオヤジが仕事をサボっていたせいでもある。
まず期限を守らない。
やるといっていたのにやらない。
というのが、当たり前。
だけど憎めないキャラで、
「これはマジでヤバイ」
という危機管理能力・察知能力だけは非常に高いので、炎上しかける前に消火している。
(僕と仕事したときは、完全に炎上しましたが)
このオヤジとの付き合いで思ったのは、
「社長って、このくらいいい加減でもやっていけるんだな」
って事だった。
完全に反面教師なんだけど、どこか”社長”っていうのは、まともでなければならないというのがあったし、実際にまともな人が多かった。
正直、イマイチな人もいたけど、皆それなりに一生懸命だったし。
それに対して、あのオヤジはひどかった。
「ゴールデンウィーク中に図面書きます」
と言いながら、1枚も図面書かないし、書いてきてもテキトーだった。
オヤジは
「ゴールデンウイークは忙しくて・・・ゴメンナサイ(てへぺろ)」
みたいな感じだったけど、仲の良かったオヤジの会社の職長さんと話しをしていたら
「親分は、ゴールデンウィーク、たっぷり休んでますよ!」
と聞いて、やっぱりそうだよね!と納得した事を思い出す。
でも、オヤジはそれなりの人望があって、仕事はそれなりに回ってきている。
(安いだけなのかも知れないけど)
僕がここで感じたのは、
「あのくらい好き勝手やっても、大丈夫な人っているんだな」
と言うことだった。
こういう話をすると、イソップ物語のアリとキリギリスを思い出す。
遊び惚けていたキリギリスを、冬のエサの無い時期に、アリが助けてあげる話。
道徳的には、”キリギリスみたいに遊んでいてはダメだよ。アリみたいにコツコツ働かないとダメだよ”、と言っているんだけど、結局のところ、好き勝手やっているキリギリスは、最後にはアリに助けてもらっていて、一番得しているわけなんだよね。
(原作は、キリギリスはアリに助けてもらえなくて死んでしまった気がするけど、僕が子供の時に読んだ絵本はアリに助けてもらっていた気がします)
つまりは、
人生って好き勝手やったもん勝ち
なんじゃないかなぁと、あのオヤジから学んだんですよね。
日々忙しかったり、自分自身が悩んでいたり、色々とあると思うんだけど、あのオヤジを思い出すとなんだか馬鹿らしくなってくるんです。
なんでこんなに忙しいんだよ、とか。
下請けの社長が遊んでて、元請けの僕らがこんなシンドイ思いしてんだよ、とか。
ある意味で、マインドブロックを完全に破壊してくれました。
これが自分の中でのターニングポイントだったように思います。
真面目な人ほど行動できない世の中な気がします。
別に、正解なんてないんだけど、もっと自由に生活したいよね。
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